英語教育における小中学校の連携


今日のヤフーニュースでこんな記事を見つけました。

 

記事によると、小学校では楽しく感じていた英語が、中学校では苦手で嫌いになる生徒が増えているとのことですが、小学校では2020年度に、中学校では2021年度に今の学習指導要領になることが決まったはるか昔からこの問題は予見されており、これまでずっと議論されてきました。英語教育改革はニュースや新聞でも大きく取り上げられましたので知っている方も多いかと思います。

 

そこで必ず登場するのが、小学校と中学校の連携不足を非難する声。個人的には小学校と中学校の英語教育には初めから大きな目的の違いがあると思っており、小学校の先生は「せっかく子供たちが楽しく英語を学んでいたのに、中学校に入ってから勉強的な要素が多くなり英語が嫌いになってしまう」と感じ、中学校の先生は「小学校から英語を学んでいるのに中学英語に対応できる力が付いていない」と嘆く現状は・・・ある程度やむなし、と感じています。

 

私は、小学生のうちは、とにかく英語が好きであることが何より大切だと思いますので、レッスンでは生徒さんが楽しいと感じるエクササイズを基本としつつも、楽しいだけでなく実際に英語の力を付けることができる要素をレッスンに取り入れることを常に心掛けています。そして中学生クラスでは、楽しい要素と、勉強チックな要素の配分を少しずつ変えていき、生徒さんはある程度チャレンジングな課題をこなすことで自分の英語に自信が付き英語が好きになる、英語が好きになるからさらに勉強してより自信が付きもっと英語が好きになる、という正のスパイラルを作ることを大切にしています。

 

 

今の中学校ではこの正のスパイラルにうまく乗れて、難しくなった学習指導要領のおかげでどんどん上達する生徒さんと、逆に負のスパイラルに巻き込まれついていけなくなる生徒さんの二極化が進んでいると言われています。中学英語ではやはりなんと言っても「力を付ける」ことが大切であり、難しい、というより正確には「高度な英語」に生徒さんを触れさせることは、将来の日本を背負う若者にとって大きなメリットであることは間違いないので、今のレベルを落とすことなく、小中のギャップでついていけなくなる生徒さんをいかに減らすかが重要となりますが、これを世界一忙しいと言われる日本の学校の先生方が個人の力で解決するのはまず難しいでしょう。

 

世界のスタンダードから大きく取り残され、ガラパゴス化が進んだ日本の学校英語教育をなんとかするため文科省の旗振りで始まった英語教育改革ですので、現場の教師の努力や民間の教育機関に過度に頼らず、行政の力で小中高一貫したシームレスな英語教育を行える手だてをとって欲しいと思います。

 

Source: Yahoo News

Link: https://news.yahoo.co.jp/pickup/6503423

 

 

 


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